瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論~その2 沙弥島~

 

3.沙弥島

 

朝から快晴。桜満開のニュース。四国・香川はおむすび山にポッポッと白い山桜。東山美術館の駐車場に誘導される(無料)。案内ブースでリーフレットをもらい、作品場所を確かめる。

エリアが狭いため親切な案内板が設置しやすい。鑑賞者の動線がスムースにつくられている。若い親子連れ、シニア夫婦などに紛れて若者も見える。

沙弥島は「J1 エリア」のみで、春期間だけ(3 月20 日~4 月21 日)なので小豆島よりは鑑賞者が多いわけだ。作品100(階層・地層・層)は讃岐の山にふさわしい形だが、表面の芝生はこれから生育するという。時間の経過とともに変化する作品として工夫がある。

作品101(沙弥島・西ノ浜の家)、作品103(そらあみ)と歩いたところで、店が賑わっている。島スープを500 円で注文する。すでに何とか沙弥島弁当は売り切れである。あとで気付いたが、島スープは作品164 のようだ。

旧沙弥小中学校校舎を活用して、教室に作品102(名も知らぬ遠き島より等)がある。作品のうち、映像作品が教室の黒板を利用して流れている。これはこの場所がもっともふさわしいものだとは思えない。

沙弥のなぎさに出てみると、作品104(八人九脚)が瀬戸大橋と瀬戸内海を眺めている。当然、その椅子でくつろぐ鑑賞者たち。海辺の風景をなしている。

■3 月22 日メモ■

  1. 作品鑑賞の途中に、地域の歴史を発見する。これぞ地域の文化資源だと思う。
  2. かってな推測だが、現代アートに関心を示す御仁はその地域の歴史や伝統、民俗文化などにも興味をもっているだろう。しからば、瀬戸芸祭を動機に、地域の文化資源を前面に押し出すべきであろう。瀬戸芸祭ガイドブックには少し触れているが…。
  3. 芸術家、芸術系大学生に作品制作の場所と機会を瀬戸芸祭は与えている。
  4. 出展芸術家はどのように選定しているのだろうか。北川フラム、福武財団が築いてきたネットワークか。

(つづく)

田村彰紀/月報347号(2013年6月号)

瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論~その1 小豆島~

瀬戸内国際芸術祭2013・春会期が、3月20日から4月21日まで開催されました。

3年前の第1回瀬戸芸祭には、93万人が真夏の現代アートを楽しみましたが、たいへんな混雑だったようで、第2回瀬戸芸祭は春・夏・秋に分散しての開催となりました。

今回、春会期の瀬戸芸祭を覗いてきましたので、地域政策および文化政策の観点から「瀬戸芸祭日記」を開陳しておきましょう。 日記風ですので、お楽しみください。

 

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◇2014年5月『住民と自治』&香川自治研「月報」をお届けします

◇5月『住民と自治』の主な記事

●特集Ⅰ●消費税増税で自治体はどうなる

  • 消費税増税を問う湖東京至
  • 消費税増税による公営企業への影響―住民負担が強まる― 中村幸夫
  • 消費税増税と診療報酬のマイナス改定で病院経営はダブルパンチ ―「医療崩壊」の新たな要因になる危険― 山本 裕
  • 中小企業・小規模企業者を押しつぶす消費税増税 小林俊光

●特集Ⅱ●未来を拓く「新しい時代の地方自治像」

  • 未来を拓く「新しい時代の地方自治像」白藤博行
  • タスク1 総論白藤博行
  • タスク2 地域経済鈴木 誠
  • タスク3 公民協働・ガバナンス榊原秀訓
  • タスク4 大都市制度廣田全男 西村 茂
  • タスク5 税財政平岡和久
  • タスク6 震災復興岡田知弘

〇 国・文科相が教科書採択で竹富町に直接「是正要求」 渡名喜庸安

  • 書評「『福岡の暮らしと自治』別冊臨時増刊号」 金子 勝
  • 第56回自治体学校IN仙台プレシンポジウム 被災地から「この国のかたち」を正す 今西 清

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◇5月「月報」の記事

●地方分権改革の現段階~地方自治の行方(下) 田村彰紀

●瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論(⑫) 田村彰紀

●いいかげん地域学(その4・こんぴらを追う) 佐藤孝治

 

 

 

 

◇2014年4月『住民と自治』&香川自治研「月報」をお届けします

 

◇4月『住民と自治』の主な記事

●特集Ⅰ●東日本大震災から3年 ―岩手・宮城の人々が直面している現実と課題―

  • 被災地の今――何が問題か? 井上博夫
  • 岩手県漁民組合誕生の意義と課題 佐藤照彦
  • 仙台市の宅地被害の復旧と残された課題  宅地被害ネットワークの取り組み―緑ヶ丘四丁目被災者会から仙台市全域に  宮野賢一
  • あすと長町仮設住宅の取り組みと課題 飯塚正広

●特集Ⅱ●いま、住民運動資料の保存は

  • 市民活動記録保存の意義と課題 高木恒一
  • 自治体文書館と市民運動資料 辻川 敦
  • 公害被害者運動資料の保存と資料館の役割  林 美帆
  • 残そう、市民の記録を! つくろう、資料収集と活用の拠点を!  江頭晃子

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◇4月「月報」の記事

・地方分権改革の現段階~地方自治の行方(中) 田村彰紀

・瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論(⑪) 田村彰紀

・いいかげん地域学(その3・また龍を追う) 佐藤孝治

◇2014年3月『住民と自治』&香川自治研「月報」をお届けします

◇3月号『住民と自治』の主な記事

●特集Ⅰ●東日本大震災・福島第一原発事故 ―福島の人々が直面している現実と課題―

  • インタビュー 蒔かぬ種には実らない  ―あぶくま地域のかーちゃんの力を結集 渡邊とみ子
  • 原発災害被災地 福島における現実と課題 丹波史紀
  • 原発事故の被害補償と東京電力、国の責任 除本理史
  • 福島で生きること。それは、「侮蔑」をはらすこと。  ―福島の農民がたたかい続ける意義 根本 敬

●特集Ⅱ●‘13・12・13中教審答申を受けて

  • 教育委員会制度をめぐる課題 荒井文昭
  • 中教審答申は学校現場に何をもたらすか  ―首長に教育行政の権限を移してはならない― 河合美喜夫

  • 二〇一四年度政府予算案と地方財政への影響 鶴田廣巳
  • 圧勝した名護市長選挙 吉田 務
  • “脱原発のしくみ”をつくる地方自治  ―「島根県エネルギー自立地域推進基本条例」を直接請求― 保母武彦

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◇3月号「月報」の記事

○地方分権改革の現段階~地方自治の行方(上) 田村彰紀

○瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論(⑩) 田村彰紀

○自治体研究社の本と研究会のご案内

○いいかげん地域学(その2・龍を追う)佐藤孝治

◇2014年2月号『住民と自治』と香川自治研「月報」をお届けします

◇2月号『住民と自治』の主な記事

●特集●自治体が自治体でなくなる危機―自治体アウトソーシングの現段階

  • 自治体が危ない~自治体民間化(アウトソーシング)の現段階と課題 城塚健之
  • 国家戦略特区・構造改革特区・総合特区の危険性 山口真美
  • 「PFI神話」の崩壊――あらためて公共を問う 尾林芳匡
  • 指定管理者制度の抜本的見直しは喫緊の課題 角田英明
  • 地方独立行政法人の現況と課題 野本夏生
  • 進む公務労働者の民間化 河村 学
  • 事例 自治体給食調理職場の取り組み  民間委託の中止、給食調理員の新規採用を実現 久保貴裕
  • 事例 学童保育を市民の手に取り戻す取り組み 宗像市の指定管理者制度導入で「宗像市学童保育を考える会」発足 森本茂利

○書評 岡田知宏・自治体問題研究所編 『震災復興と自治体「人間の復興」へのみち』鈴木 誠

○書評 中山 徹・杉山隆一・保育行財政研究会編著  『直前対策! 子ども・子育て支援新制度PART2』藤井伸生

○2013年度 「まち研」活動に関する調査結果 自治体問題研究所事務局

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◇2月号「月報」の記事

○地方分権改革から20年を経た地方自治体の課題  田村彰紀

○瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論(⑨) 田村彰紀

○いいかげん地域学(その1・そんな馬鹿な) 佐藤孝治

◇2014年1月『住民と自治』&かがわ自治研「月報」をお届けします

あけましておめでとうございます

◇『住民と自治』の主な記事

●特集●若者の運動が未来をつくる

  • 現代を生きる若者の社会―運動中西新太郎
  • 新春インタビュー “場”から広がる若者の運動 岡﨑加奈子・玉木信博・山田真吾 聞き手・朝岡幸彦
  • これが私の生きる道 地域経済に貢献できる業者を目指して 有坂ちひろ
  • キラ☆キラ人が集まる青年団田中 潮
  • 「学び、参加し、平和をアピール」、民医連反核平和自転車リレー 岸本啓介
  • 新年のご挨拶岡田知弘
  • 「国立市の元市長に対する求償」は許されない・・・・・・真の住民自治を問う 窪田之喜
  • 「公務員制度改革」は自治体に何をもたらすのか 熊谷守朗

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◇「月報」の記事

●2014新年にあたって

●瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論(⑧) 田村彰紀

●私の目で見た中国農業(その13・中国人の性3) 佐藤孝治

★2013年12月『住民と自治』・香川自治研「月報」をお届けします

★『住民と自治』の主な記事

●特集●生活保護「改革」と命の重み

  • インタビュー いのちの重みと生活保護法-生活保護基準は「命の最終ライン」 稲葉 剛
  • 現代の貧困に社会保障はどう立ち向かっているか 岡部 卓
  • 生活保護基準切り下げにより、侵害される子どもの教育権 長友祐三
  • 生活保護一斉審査請求の意義と、これからについて 吉田雄大
  • 岐路に立つ生活保護行政 渡辺 潤

  • 書評『長友先生、国保ってなんですか』 安井喜行
  • 特定秘密保護法案と地方自治体 田中 隆
  • 東京への五輪・パラリンピック招致をどう見るか-世界都市への成長戦略とスポーツ本質論 市井吉興
  • リニア、何が問われているのか? 竹内 智
  • 柏崎刈羽原発の再稼働に道を開く 規制基準適合申請の撤回を 持田繁義

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★「月報」の記事

・瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論(⑦) 田村彰紀

・自治体研究社『震災復興と自治体』発刊

・私の目で見た中国農業(その12・中国人の性2) 佐藤孝治

 

 

★2013年11月『住民と自治』&かがわ自治研「月報」をお届けします

★『住民と自治』の主な記事

◇特集 待機問題をどうみるか

●特養ホーム待機者問題は、介護保険下の高齢者福祉の質を表わす 服部万里子

●待機高齢者問題の仕組み 木戸利秋

●現場の実感としての待機児童問題 加賀睦子

●必要とするすべての子どもたちに安全・安心な学童保育の保障を 真田祐

●障害のある青年たちが社会へ踏み出すために 児嶋芳郎

●障害者の地域移行策で、施設待機者はなくなるか 伊藤成康

●墨田区のものづくりと地域ブランド戦略 高野祐次

●「ブラック企業」をなくすためには何が必要か? 河添誠

●堺市長選挙の意味 森裕之

◇書評 『道州制で府県が消える』 永山利和

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★「月報」の記事

●瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論(⑥) 田村彰紀

●全国研究所からのお知らせ

●私の目で見た中国農業(その11・中国人の性格<1>) 佐藤孝治

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★2013年10月号『住民と自治』と香川自治研「月報」をお届けします

★『住民と自治』の主な記事

●特集●TPPが壊す国民皆保険制度

  • 色平哲郎医師に聞く TPPが国民全員の暮らしと老後を直撃する
  • TPP参加の暴挙と日本の針路鈴木宣弘/ 塩崎賢明/河合博司
  • TPP参加交渉と公的医療芝田英昭
  • 医療費調査から見える貧困とTPP川合 優
  • 解説 TPPの露払い、民間版「健康保険」商品の誕生で浸蝕される皆保険の危機高橋 太

  • 第55回自治体学校 記念講演  参院選の結果と安倍政権渡辺 治
  • 自治体学校 第8分科会山口 毅
  • 自治体学校 現地分科会金田 基

●連載●

  • 新連載 おんなのRun⑤ 運動に参加していく必要と責任がある内田聖子
  • 連載講座 基本の「き」から学び合う地方自治 第11回 立ち上がる民衆が政治を変える 大正デモクラシーのなかで①池上洋通

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★「月報」の記事

・瀬戸内国際芸術祭2013と地域政策に関する試論(⑤) 田村彰紀

・第55回自治体学校で好評だった本!

・私の目で見た中国農業(その10・中国人の性格3) 佐藤孝治